「おばあちゃん、うちのお風呂今日もすいてるよ~。隣の大きなお風呂はいつも駐車場いっぱいだっていってるよ~」
『うちにはうちのやり方があるし、ありがたいことに常連のお客様に支えられて商売ができているじゃないかい。それでいいんだよ。』
「う~ん。そうなのかなー!?」
数日後、友達と学校からの帰り道
『今日新しくできたカフェ行こ~よ~』
「いいね、あっ、でもちょっと回り道していい?」
『え~、どこ~。いっぱい歩くの嫌だよ』
『しょうがないな~、いいよ~』
『あのさ~、こっちってスーパー銭湯の方じゃない?商売熱心だね~』
「研究・研究(笑)」
(建物も新しいし、駐車場も広いもな~。これはうちとじゃ比べ物にならないか)
「あのポスターなんだろ!?」
『パートさん大募集!って書いてあるよ。忙しいから人が足りないんだろうね』
「そっか~、人手足りないくらい忙しいんだ。羨ましいな。うちなんてお客様募集したいのに。」
「あーーーーーーーーーっ!これだーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「閃いちゃった!ごめん、今日は帰るわ。カフェはまた今度いこう」
『えーーーっ。ちょっと待ってよ・・・』
(チョキチョキ、キュッキュ、カキカキ)
『慌てて帰ってきたと思ったら、いったい何をしているんだい?』
「じゃーん、おばあちゃん店先にこのポスター貼ってもいいでしょ!」
『はあっ!?どれどれ』
『良いけど、あんた自分の似顔絵にお客様大募集!なんてポスターあたしゃ見たことないよ。』
「ないからいいじゃない!私も看板娘っぽく見えるでしょ!?(笑) 」
「皆さまー、うちはパートさんは募集してないけど、お客様は大募集してますよーーーーー!!!」
(完)